研究課題/領域番号 |
07672486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
米川 修 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (90158527)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | トリプトファン関連物質 / 腎機能検査 / クレアチニン / 筋肉量 / 糖 / イヌリンクリアランス / 甲状腺ホルモン |
研究概要 |
我々は、ヒト尿中より基本骨格のトリプトファンに糖の結合した分子量366の新規の蛍光物質(Substance X ; S. X)を見い出し、S. X.測定が腎機能(糸状体濾過能)評価に有用であることを明らかにした。 クレアチニン(Cr)との比較 現行の腎機能検査で一番信頼性の高いCrと比較したところ、Cr、ならびにCrクリアランスとの相関は極めて良好であった。また、Body Mass Indexや、クレアチニン排泄量を基に解析したところ、S. X.は、Crと異なり、筋肉量に影響を受けず腎機能を反映しているのが判明した。動物実験の結果、腎機能検査のゴールデンマーカーと言われているイヌリンクリアランスとより良好な相関関係を示した。S. X.は、Crより正確に腎機能を反映するものと判断される。 腎機能評価以外の観点からの検討 S. X.は、必須アミノ酸のトリプトファンを有し、何らかの生理的意義を持つと推定される。生理的意義の解明の意味で、他の体液と、他の種属における存在の有無を確認した。 羊水での検討:羊水中では、妊娠の経過とともに増加し、腎臓の発達と尿の生成を反映していると考えられる。妊娠中毒症の1例において高値を示し、病態との関連が示唆された。 髄液での検討:腎機能正常の患者では、S. X.は、有意に血清中に比し髄液中の濃度が高く、神経系における意義が示唆された。神経変性疾患で高値を示す症例があり、病態との関与が考えられる。 ヒト以外の生物での検討:ヤツメウナギ、鶏卵、マウス、ラット、犬の血清にS. X.に一致するピークが確認された。種を超えて存在することは、その生理的意義の重要性を示すものと思われる。
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