研究課題/領域番号 |
07672499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小田 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50255436)
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研究分担者 |
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
半田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40129614)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | platelet / thrombopoietin / tyrosine kinase / signal transduction / chronic myelogenous leukemia / トロンボポエチン / 情報伝達機構 / 血小板 |
研究概要 |
我々はNIH/3T3細胞などにtransformation活性のあるSHCが血小板に存在することをはじめて証明し、これがトロンボポエチン刺激下でチロシンリン酸化され、これも我々が血小板に存在することを証明した別のadaptor蛋白であるGrb2と結合することを報告した。一方、ずり応力惹起血小板凝集下(SIPA)において、多数の蛋白のチロシンリン酸化が認められることを報告した。また、血小板においてはじめてStat蛋白が存在することを認め、これがやはりトロンボポエチン刺激下でチロシンリン酸化されることも認めている。さらに、我々は、血小板にc-Cbl、Crkl、Vavが存在することを明らかにした。これらが、トロンボポエチン刺激下でこれらの蛋白がチロシンりん酸化されることも明らかにした。特にCrklは慢性骨髄性白血病患者の好中球で特異的にかつ恒常的にチロシンりん酸化されており、これまで刺激応答性にCrklがチロシンりん酸化されるという報告は血球細胞では認められなかった。我々は、これがトロンボポエチン刺激下でチロシンりん酸化されること、未知の100kDa蛋白と結合することなどを明らかにし、Crklがトロンボポエチン惹起情報伝達ひいては巨核球造血などに関与している可能性を示唆した。また血小板中において、Vavはトロンビンなどによる刺激下ではカルシウムもしくは蛋白キナーゼC依存性にチロシンりん酸化され、トロンボポエチン刺激下では非依存性にチロシンりん酸化されことを認めた。さらにこれらの3種の蛋白はいずれも血小板凝集下の細胞骨格に取り込まれ、かつカルパインにより分解されることも我々は明らかにした。以上より本研究は目的主旨に沿って、過去に血小板に存在することが知られていなかった蛋白の新しい役割、特にその巨核球系造血や血小板凝集過程への関与の可能性を明らかにした。
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