• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

サイトカイン刺激内皮細胞の血栓制御機構における流動状態の役割

研究課題

研究課題/領域番号 07672500
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 病態検査学
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

川合 陽子  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00129727)

研究分担者 渡邊 清明  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20101983)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードFndothelium / Shear stress / Cytokine / fibrinolysis / tissue plasminogen activator / plasminogen activator inhibitor-1 / mRNA
研究概要

流動状態が内皮細胞の機能や抗血栓性の維持に重要な役割を演じていることが近年注目されている。我々は、コーンプレート型回転粘度計を応用し、培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞にずり応力を負荷し、内皮細胞から放出される組織型プラスミノゲンアクチベータ-(t-PA)およびプラスミノゲンアクチベータ-インヒビター(PAI-1)の動態を蛋白レベル・mRNAレベルで検討した。ずり応力を0, 6, 12, 18, 24dynes/cm^2を負荷すると、EIA法で測定したt-PA・t-PA/PAI-1複合体抗原量の培養上清中への放出はずり応力依存性に増加し、動脈レベルで顕著であった。一方、PAI-1およびactive PAI-1は減少が認められた。炎症性メデイエーターの中心的役割を担うサイトカインの影響を検討する目的でIL-1とTNFを負荷すると、t-PA・t-PA/PAI-1複合体抗原量の放出は影響を受けなかったが、PAI-1およびactive PAI-1の放出は著明に増加し、サイトカインが内皮細胞を血栓性に傾かせることが確認された。興味あることに、サイトカインでperturbationを受けた内皮細胞にずり応力を負荷すると、静止時には影響しなかったt-PA・t-PA/PAI-1複合体抗原量の放出を顕著に増加させた。一方、サイトカインで増大したPAI-1およびactive PAI-1の放出は抑制された。内皮細胞よりmRNAを抽出し、ドットブロットを施行しt-PAおよびPAI-1のプローベで同様の検討を行ったところ、かかる変化はmRNAレベルで制御されていることが判明した。以上の結果より、流動状態は内皮細胞の線溶系制御において、絶えず抗血栓性を保持するように作動しており、炎症性サイトカイン刺激時にもその抗血栓性を維持するように変化することが判明した。かかる流動状態とサイトカインの相乗作用が明らかになったことは、流動状態の血栓制御に果たす役割の解明に大きく寄与するものと思われ、更なる細胞内伝達機構や遺伝子レベルの制御機構の解明が待たれる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yohko KAWAI. et al.: "Hemodynamic Forces Modulate the Effects of Cytokines on Fibrinolyric Activity of Endothelial Cells" BLOOD. 87(6). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 松本豊 ほか: "ずり応力と凝固線溶系因子" 血液・腫瘍科. 31. 141-146 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi