研究課題/領域番号 |
07672532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
内布 敦子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20232861)
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研究分担者 |
柴田 秀子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (40254479)
和泉 成子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (20275316)
竹本 明子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (70295757)
河野 文子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30275317)
パトリシアJ ラーソン (ラーソン パトリシア J) 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80295766)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 終末期看護 / 在宅ケア / 看護判断 / 治療看護 / 症状緩和 / ケア提供システム / 看護コンサルテーション |
研究概要 |
本研究は、終末期にある患者に対する直接的な看護の技術開発と死にゆく患者に直面する看護婦を支える有効なシステムに関する研究の大きく2つに分けることができる。直接的な看護の技術開発に関する研究は、さらに(1)患者が死にゆくことを言語化する過程を適切に援助する技術(1995年度〜1997年度)と(2)終末期癌患者の身体症状マネジメントの状況を明らかにして症状緩和の援助を導き出す研究(1996年度)の2つに分けることができる。(3)看護婦を支援するシステムに関する研究では主にコンサルテーションの機能に焦点を当て有効な方略を帰納的に分析した。(1995〜1996年度) 研究方法は、(1)では事例研究によって死にゆく患者に直面する看護婦の心理や患者へのアプローチの経過を記述し分析する帰納的質的研究方法をとった。(2)は患者からのインタビューデータを記述して分析しモデルを検証する方法をとった。(3)ではコンサルテーション活動の参加観察を行い、記述データを分析、解釈から有効な方略を抽出する帰納的質的研究方法をとった。 研究の結果、直接的な看護の技術として看護婦自身が自分自身の状況、特に死にゆく患者を目前にして不安になったり直面化をさけているという状況に気づくことが最初のステップとして必要であることがわかった。次に具体的に会話の中で患者を脅かすことなく患者の死に関する表現を助け、強化し、聞くことを保証するという看護活動によって患者が穏やかな死を迎えることができたことが分析できた。この他に患者の表現を助けるために身体感覚を表現させたり、患者の状況によっていつでも日常的な会話に戻るといった活動が有用であった。これらの看護活動から死にゆく患者に直面する看護婦に必要ないくつかの要素や情報項目を見出し、「看護婦の状況を明らかにするシート」「患者・家族の状況を明らかにするシート」として提案した。症状マネジメントはモデルを枠組みとして用いることにより、患者自身の持つセルフケア能力が浮き彫りになり、看護が支援すべき部分が明確になることがわかった。看護婦を支えるシステムに関しては、患者の状況や看護婦の状況を理論的な知識を用いて明らかしたり、看護婦の状況を肯定的に認めながら患者に直面することを捉したり、実践可能ないくつかの具体的な方法を示したり、看護婦同士が助け合えるような場を設定するといったコンサルテーション活動が有用であった。
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