研究課題/領域番号 |
07680019
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
河合 弘康 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80026525)
|
研究分担者 |
磯部 由香 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (80218544)
横井川 久己男 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (60230637)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | パン酵母 / 冷凍耐性酵母 / 冷凍耐性機構 / Towlaspora delbueckii / トレハロース / 冷凍感受性酵母 / Torulaspora delfrueckii / Torulaspora, delbrueckii |
研究概要 |
本研究は、パン酵母の冷凍耐性を支配する因子として、細胞内貯蔵物質トレハロースに注目し、本物質と冷凍耐性との関連性を明らかにすることを目的として行ったものである。本研究の成果を要約するとつぎのようである。 1.冷凍耐性酵母Torulaspora delbrueckiiの細胞内トレハロース量は、同菌株から誘導した冷凍感受性変異株のそれより常に多いことから、酵母の冷凍耐性と細胞内トレハロース濃度との間に高い相関があることが推定された。 2.酵母に熱ストレス(培養温度の上昇)を与えると細胞内トレハロース量は急増し、それに対応して凍結・融解後の生存率が増大することから、トレハロースが酵母の凍結障害を緩和する役割を持つことが明らかになった。 3。市販圧搾パン酵母(Saccharomyses cerevsiae)のトレハロース含量と冷凍耐性、凍結・融解後の生存率を検討した結果、冷凍生地用パン酵母のトレハロース量と冷凍耐性との間には明確な相関が認められなかったが、培養酵母では凍結・融解後の生存率と細胞内のトレハロース量との間に有為な関連性が認められた。 4. T. delbrueckiiのトレハラーゼ欠損変異株およびトレハロースリン酸合成酵素活性の微弱な変異株のトレハロース含量および冷凍耐性を検討した結果、両菌株のトレハロース含量には大きな差異があり、また、その含量に対応して冷凍耐性が相違したことから、酵母の細胞内トレハロースがその冷凍耐性に密接な関連を持つことを再確認することができた。 5.冷凍耐性酵母は、冷凍感受性酵母に比べてトレハロースリン酸合成酵素活性が高く、逆に中性トレハラーゼ活性が低いことを明らかにし、酵母細胞の常在成分であるトレハロース量がそれらの酸素活性の強弱に影響を受け、その結果が細胞内のトレハロース量と酵母の冷凍耐性に反映していると考えられた。
|