生活財の保有の増加や限られた住空間に伴い、レンタル用品や貸倉庫・トランクルームを利用する家庭がみられるようになっている。生活財保有や使用にあたっての生活財の管理を考えていく上で、住戸外の施設・設備がこれをどの様に補完していくことが必要であるのかを、レンタル用品利用と貸倉庫・トランクルーム利用の点から明らかにした。大都市(東京・大阪)圏と地方都市(広島)において、業者への聞き取り調査と戸建て、集合住宅居住の主婦またはそれに代わる人を対象としたアンケート調査を行った。業者調査からレンタル用品、トランクルーム共に、一般家庭の利用には利用期間が短く、再来性が少ない利用と季節用品や非日常的な生活財の利用がみられる。そして、利用者の信用や利用上のマナーが課題となっている点が明らかになった。アンケート調査からは次のような利用意識と利用実態を明らかにした。(1)レンタル用品やトランクルームはよく知られるようになっているが、利用経験は少ない。そして、利用経験はレンタル用品の方が多い。両者共に抵抗感は少ない傾向である。(2)レンタル用品の利用希望時は冠婚葬祭の儀式の時、レジャーや旅行の時であり、海外旅行や単身赴任・下宿時の利用が2割みられる。一方、トランクルームでは新築・増改築時に家具一式の預入を、また未使用品や季節用品の預入を希望している。いずれも、業者調査と同様に、期間を限った、再来性のない場合の利用希望が多い。(3)利用希望条件は、レンタル用品では手入れの不用さ、置き場所のなさ、非日常性や経済性であるが、トランクルームでは経済性、業者の信用、安全性や利用のしやすさが上位にあがり、生活財に対する思いの違いが表れている。(4)地域特性や住宅タイプ特性は利用品や利用希望品に現れている。
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