研究課題/領域番号 |
07680037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
沖田 美佐子 岡山県立大学, 保健福祉学部栄養学科, 教授 (70079242)
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研究分担者 |
山本 純子 中国短期大学生活科, 講師 (40200810)
笹川 貴代 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (10254567)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 肝硬変 / アルコール性肝障害 / アラキドン酸 / 6-ケトープロスタグランディンF1α / ロイコトリエンB4 / 食脂肪 / 脂肪酸 / アラキドン酸油 / 亜鉛 / 脂質過酸化 / プロスタグランディンE_2 / ロイコトリエンB_4 / 脂肪酸栄養 / n-3脂肪酸 / n-6脂肪酸 / リン脂質 |
研究概要 |
肝硬変とくに非代償性肝硬変例や肝細胞癌合併例では、病態の進展とともに血漿リン脂質構成脂肪酸のうちアラキドン酸とDHA、EPAの明らかな減少およびアラキドン酸/リノール酸比の低下を認めた。また、常習飲酒家でも血清中のアラキドン酸やDHAの減少が明らかであった。これらの脂肪酸は肝においてリノール酸およびα-リノレン酸から生成されるものであり、減少の原因として摂取量の低下のみならず肝における産生量の低下が推測された。そこで、アルコール投与が血漿および肝脂肪酸組成ならびにエイコサノイド量に及ぼす影響と食餌脂肪の関係を調べ、アラキドン酸補給の効果を検討した。その結果、アルコール投与ラットにおけるアラキドン酸補給は肝、血漿リン脂質のアラキドンモル%を高めるとともにリノール酸およびオレイン酸を著しく低下させ、アルコール性肝障害時に見られるリン脂質の脂肪酸組成の異常を是正した。肝および血漿6-ケトプロスタグランディンF1α量はアラキドン酸投与で明らかに増加したが、肝のロイコトリエンB4量には増加をみなかった。また、血漿トロンボキサンB2濃度が著しく上昇し、肝硬変例にみられる血液凝固能の低下改善にアラキドン酸補給が有効であろうと推測された。食餌脂肪との関連では必須脂肪酸含有の少ないラ-ドで飼育したラットでアラキドン酸補給効果が明らかであったが、リノール酸含量の多いコーン油食ではアラキドン酸の補給は多価不飽和脂肪酸の過剰な投与から脂質過酸化物の上昇を招くことが示唆され、抗酸化ビタミンならびに微量元素の要求量が増大することが推測された。肝疾患の進展を防止する上でアラキドン酸欠乏を是正することの有用性が示唆され、今後は臨床面での効果を追跡したい。
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