研究課題/領域番号 |
07680084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 東京農工大学 (1997) 青森公立大学 (1995-1996) |
研究代表者 |
鬼頭 秀一 東京農工大学, 農学部, 教授 (40169892)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 科学技術倫理 / 環境倫理 / 自然の権利 / マイナー・サブシステンス / 社会的リンク論 / マイナ-・サブシステンス / 環境哲学 / STC / 捕鯨技術 / 白神山地 / 自然保護 / 捕鯨 / クジラ / STS |
研究概要 |
人間と自然との関係性、特に、人間の営みを中心に据えた環境倫理を展望しようとしたとき、近代科学導入以前の生業(subsistence)の技術、さらには、近代の科学技術を含めた広義の技術一般のあり方、すなわち、科学技術倫理の問題がその主要な要素になることが明らかになった。その意味で、環境倫理の研究には、科学技術論の立場からの研究が不可欠である。そうした技術を分析する理論的枠組み装置として、社会的・経済的リンクと文化的・宗教的リンクという二種類のリンク要素のネットワークのあり方を分析する「社会的リンク論」という新しい理論を提唱した。さらに、その理論的な枠組みの中で分析するときに、主たる生業以外の、マイナー・サブシステンスの技術の特質を理論的、実証的に研究することが非常に有効であることを明らかにした。 その問題を検証するための実証研究の対象事例としては、歴史的な史料などの決定的不足から捕鯨技術を研究対象とすることの現在的な困難さが明らかになり、むしろ、自然の権利訴訟の事例でのマイナー・サブシステンスの技術のあり方が問題の本質を摘出するのに有効であることが明確となった。鹿児島県奄美大島龍郷町や長崎県諌早湾で展開している自然の権利訴訟の事例を、その地域で伝統的に培われてきたマイナー・サブシステンスの技術と、開発事業に伴う新しい近代技術にかかわる技術のあり方を比較研究し、欧米の環境倫理学における「自然」や「権利」概念とは概念的に異なる非西洋的な「自然の権利」の概念の存在を確認し、その概念が、非西洋社会も含めた新たな環境倫理を構想するにあたって、理論的な基盤となりうろことを明らかにした。
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