研究課題/領域番号 |
07680085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
常石 敬一 神奈川大学, 経済学部, 教授 (00039786)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 化学兵器 / 生物化学兵器 / BWC / CWC / BCW / 生物兵器 / デュアルユ-ステクノロジー / 戦争と科学 / 戦争と産業 / 遺棄化学兵器 / 生物化学兵器軍縮 / 化学工業 / 労働災害 / 鉱毒被害 |
研究概要 |
従来旧日本軍でホスゲンは「あを」剤、として制式化されていたことは資料によって知られていた。旧軍におけるイペリットなどの生産量を知る上で米国国立公文書館が保管する旧日本軍に関する資料は重要な役割を果たしてきた。しかしホスゲンについてはその製造量など、それら米国公文書館の資料では不明だった。しかし今回入手した「有末機関報」によってホスゲンが旧軍施設ではなく、民間の複数の化学会社によって製造され、それが陸軍に納入され、砲弾に充填されていたことが明らかになった。ホスゲン弾と思われる遺棄化学兵器はこれまでに実際に中国国内で発見されている。米国の文書にホスゲンの記載がないことは、戦後の米軍による旧軍の調査において、日本側ができるだけ製造していた化学剤の種類を少なく見せようとしたとも考えられるが、米国の調査目的が旧軍施設に限定してのものだったため、と言う可能性もある。今後の研究課題だ。 化学剤の製造においては、各種の化学物質が必要で、当初は旧軍でそれらの大部分を製造していたが、軍はそれらの内染料その他の民需用原料として量価値の高いものについては、可能なものから順次民間で製造させるようにして、技術移転を計っていたことも今回入手した『本邦化学兵器技術史』(技研資第31号)によって明らかとなった。ちなみにホスゲンは現在でも化学工業における重要な原材料の一つだが、戦前は染料の原料として欠かせないもので、多くの民間の化学会社が製造していた。
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