研究課題/領域番号 |
07680105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長崎 幸雄 岐阜大学, 医学部, 助手 (50021457)
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研究分担者 |
渡邊 和子 岐阜大学, 医学部, 講師 (40158621)
小野塚 實 岐阜大学, 医学部, 講師 (90084780)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 小脳皮質 / 加齢 / 老化促進マウス / 身体運動 / トレーニング |
研究概要 |
これまでに我々は、中枢神経系における小脳の運動制御機構の加齢変化および効率よい身体運動の開始時期決定への応用の可能性を検討するために、晩成性動物であるネコを用い、種々の皮質層の生後変化を形態学的に検討してきた。本研究では、老化の早期出現を主徴とする老化促進マウス(SAM)を用いて、小脳皮質の生後発達過程の組織学的検索による所見と運動観察の定量的検索結果を比較することによってこのことをより明確に検証することを目的として研究を遂行した。 研究材料にはネコ、SAM-P8、SAM-R1を用いた。動物は麻酔後、頚動脈内に生理的食塩水、ついで10%ホルマリンを灌流して固定した。脳を摘出後、原始小脳として小節、古小脳として山頂、および新小脳として係蹄小葉第一脚を選択し、各部位小葉長軸に対して直角の切片を作成した。小脳皮質細胞層の検索は細胞体染色を施し、小脳各部位の小脳皮質の分子層、顆粒層の頂上部、中間部および基底部の厚さをマイクロメータを用いて測定した。その結果、ネコ小脳の重量と皮質層は生後次第に増加、2-3年で一定値に達し、5-8年を境にゆっくり減少した。同様な生後変化は寿命の非常に短い老化促進マウスのR-1タイプにおいて短いtime-courseで観察された。さらに寿命の短いP-8では生後5ケ月から始まった。これらの動物を通して皮質層の減少は、原始小脳で最も大きく、ついで古小脳、新小脳であった。これらの結果は加齢による小脳の萎縮を示しており、それが小脳の関与する身体運動のさまざまな変化に影響しているものと示唆される。従って、本研究から効率よい身体運動の開始時期決定を神経科学的に推定できることが明らかとなった。
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