インドの「白い革命」に関する文献は、日本では一部の雑誌論文(特にEconomic and Political Weekly)を除くとその入手は容易ではない。特に、OFプロジェクト関連の政府:NDDB・IDC出版の報告書・資料の収集は日本では無理である。その為に、新たに研究機関中にインドで政府関連資料の収集をグジャラート州ア-ナンド市にあるIRMA(ア-ナンド農村管理研究所)で行った。OF関連資料・文献に収集は十分に初期の目的を達成したが、OF論争の分析的整理にまでは至らなかった。 研究成果は、報告書(「インドの「白い革命」に関する文献的研究、114頁)として、三章に分けてまとめた出版した。第一章は、OF計画をめぐる論議を概括・整理した。第二章では、主に政府系の文献・資料により、「インドの協同組合酪農(Cooperative Dairying」の展開過程-OFプロジェクトの目標・実績・評価を中心にして-」(福岡教育大学紀要、第47号、第2分冊、101-116頁。1998.2、を採録)としてまとめた。評価に関してJha委員会の出したレポートを使用したものの、表面的な取り上げに終始し、十分な検討にまではいたらなかったが、OFプロジェクトのプロセスと政府。NDDBの主張を明らかにした。第三章では、白い革命・OF論戦-OFプロジェクト批判・反批判-と題して、先ず批判グループによるケララ州トリバンドラムでの学術ワークショップに注目し、5つ(基礎的生産、生産の組織化、酪農協同組合と社会変化、酪農開発における中央化と他方化と外国援助への疑問)の論点を整理し、ジャーナリスト、アルファーレスの批判「White Lie」やジョージ女史の批判を紹介した。これらのOF批判に対する政府、特にNDDBの反批判を紹介した。今後の課題は、収集した豊富なOF文献の十分な検討・分析を行い、OF論争の本格的な論文に仕上げることである。
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