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日本人文地理学史における小田内通敏の貢献

研究課題

研究課題/領域番号 07680178
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 人文地理学
研究機関吉備国際大学

研究代表者

岡田 俊裕  吉備国際大学, 社会学部, 講師 (60258259)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
キーワード小田内通敏 / アカデミズム地理学 / 伝記的・書誌学的研究 / 日本地理学史 / 日本地理教育史
研究概要

小田内通敏は、学生時代には史学研究を志向し、社会学にも強い関心をもっていた。そのため彼の地理学研究は、それらの考案法を重視する傾向をもった。また、新渡戸稲遺や「郷土会」を介して農政学・農業経済学・植物学などを吸収し、地域地理学を住民の生業を生活に即して研究する素地が形成された。その最大の成果が『帝都と近郊』(1918)であり、以後、朝鮮・満州・樺太・日本各地の集落・人口を社会経済地理学的に調査した。また彼は、このような地理学研究を普及させるための組織づくりにも尽力し、1926年には地球学団や日本地理学会に対抗して人文地理学会を設立した。
小田内の学風は、山崎直方などの自然科学的な学風に対比される存在であった。しかし、学界主流を占めた山崎の学風とは異なり、当時の地理学界・地理教育界に充分波及したとは考え難い。
1930年代の小田内は、郷土地理研究および郷土地理教育の推進に尽力した。自らの地域地理学研究を学校教育・社会教育の場に根づかせようとしたのである。そこに実践性・応用性に富む彼の学風が示されている。
ただし、彼の論調は1930年代の後半に民族主義的・国家主義的な色彩を強め、満州の国土計画にすすんで参画しようとした。また、戦後には奥会津地方の山村経営にも深く関かった。これらの行動にも、実践的な彼の研究姿勢が現われている。
小田内の社会科学的な考察を重視した地域研究は、最晩年にも自ら実践しているが、それはまた戦後日本の地理学研究に求めたあるべき姿でもあった。このような彼の見解は、飯塚浩二をはじめ数多くの特に戦後の地理学者に強い影響を与え、さらに社会科教育界にも影響が及んだと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 岡田俊裕: "小田内通敏の地理学研究-在野的・非主流派地理学の形成-" 地理科学. 50. 233-249 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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