研究課題/領域番号 |
07680181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
白井 豊 千葉県立中央博物館, 環境教育研究科, 学芸研究員 (30250153)
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研究分担者 |
吉村 光敏 千葉県立中央博物館, 地学研究科, 科長 (80250132)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 坂東地方 / 旅日記 / 巡拝塔 / 関東地方 / 甲信地方 / 坂東観音巡礼 / 納経帳 / 石造文化財 |
研究概要 |
坂東巡礼は、関東地方に位置し、33の札所からなっており、日本で最も親しまれる観音巡礼の一つである。 この研究では、近世における巡礼者数の変動、巡礼ルートの傾向を明らかにする。巡拝塔(巡礼の達成を記念して造立される石碑)の銘文と巡礼の旅日記を分析した結果、次の事がわかった。 1.坂東巡礼の巡拝塔は、17世紀半ば頃から関東甲信の各県で造立され始める。巡拝塔の数は、18世紀に増加、18世紀末から19世紀初頭にピークを迎えている。 2.(1)巡礼の旅日記から、遠隔地からの巡礼では一度に全札所を巡るという傾向があった。例えば長野県の白馬小谷地方からの坂東巡礼は、一度に全てを巡る。また、千葉県安房地方からは、出羽三山へ参詣の往路復路に坂東巡礼を一度に完結して巡っている。 2(2)巡拝塔には、坂東の他、秩父、西国、四国、出羽三山への巡礼達成の銘文も見ることができる。特に、西国・秩父・坂東の巡礼達成(百観音巡礼と呼ばれる)が主要な巡礼の一つである。しかし、銘文の総数からみると、坂東が銘文に刻まれる数よりも、西国・秩父の数が相対的には多い。秩父の数の多さは、小規模で巡礼しやすい事に起因すると考えられる。西国の数の多さは、遠隔地を指向する傾向に起因すると考えられる。 3.坂東観音巡礼では、道中に札所以外にも出来るだけ多くの寺社に参詣しており、その数が多いほど、得られる後利益も大きいという姿勢が見られる。
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