研究概要 |
授業中の生徒の内面変化を,表情・しぐさ,などの目に見える身体的動きから探る手がかりを明らかにする.その際,生理的指標(GSRなど)を併用する. 林竹二『人間について』の授業の記録映画(カメラ4台分)をもとに授業中の子どもたちの動きについて詳細な記録を作成した.その中から,とくに比較的大きな「表情」の連動と授業との関係を検討した.その結果,特に重要な課題・問いが生徒たちに受け止められた場面で,生徒たちの身振り・しぐさなどの連動が広範囲に生じることがわかった. 仙台市内,また東京都世田谷区の小学校で,理科・生活科等の授業場面におけるGSR計測実験を行ない,授業時の行動観察,ビデオ記録による行動観察,表情の変化,ペンレコード等を細かく検討した.比較のため大学院講義受講中の院生のGSRも継続的に計測した. 分析の経過で,生徒のGSR反応は一時雑音状態のようになっても,後に回復すること,同じ子どもは同じ類型の反応波形になること,反応活発な子どもでもグループの子どもたちがいないと,ほとんど反応を示さなくなるなど,多くの知見が得られた.また,教材の準備や机間巡視,実験援助,など教師の教授活動のそれぞれに特有の反応パターンが存在することも判明した。 平成7年9月中国,東北師範大学(長春)と北京師範大学において授業中の子どもたちの内面変化について「表情」とGSRを話題に講義を2日ずつ行なった. 研究成果報告書を刊行した.
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