研究概要 |
1.1953年以来5年ごとに実施されている「日本人の国民性調査」の継続質問項目を,年齢・時代・世代効果を分離するベイズ型コウホ-トモデルを適用して分析することにより,戦後昭和期から平成にわたる日本社会の意識変化の動態についての知見を得た. (1)第1次〜第9次の国民性調査の継続調査項目を統合した共通データ・ファイルを作成した. (2)共通データ・ファイルを用いて,男女別に,各継続調査項目の各選択肢についてコウホ-ト表データ(年齢×調査時点別のデータ)を生成した. (3)得られたコウホ-ト表データの各々について,ベイズ型コウホ-トモデル群を適用し,それらの間でABIC(赤池のベイズ型情報量規準)を最小とする最適モデルを選択した. (4)各選択肢について得られた最適モデルに基づき,男女別に年齢・時代・世代および交互作用効果の影響パターンを整理し,主成分分析を適用することにより,戦後昭和期から平成にわたる日本人の意識構造の動態を把握した. (5)第8次調査までのデータの分析結果および他の分析方法による結果と比較・対照し,ベイズ型コウホ-トモデル適用の妥当性と問題点の検討を行なった. 2.これまで開発してきた交互作用効果をもつモデル,過大分散パラメータをもつモデルなどを含むコウホ-トモデル群の間でモデル選択を行ない,ベイズ型コウホ-トモデルの枠組みの有用性を実際の調査データの分析を通じて確認した.
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