研究概要 |
コンピュータネットワークを利用したデスクトップビデオ会議において,音声や映像を含む会議記録の重要部分を計算機内に効率的に収集し,文脈情報として構造化した形で後々共有するためのマルチメディア議事録の作成法について,基礎的な研究を行った。 研究は,会議の流れの分析から会議情報を3つのカテゴリに分類し,この分類に基づいて議事録のダイジェストを作成するシステムを試作し,これを研究室内での会議の事例に適用・評価する。最後に,この結果を踏まえて,マルチメディア議事録の作成を一般的に支援するには,どのような問題が残るかを考察するという手順で,下記のように実施した。 (1)会議情報の分類 会議参加者の映像と音声を基に,明らかに不要な情報,明らかに必要な情報,人の判断により決定されるべき情報の3つに分類した。 (2)ダイジェストシステムの試作 音声情報の選別,映像情報の選別を行い,選別された音声・映像セグメントをタイムスタンプに基づいて同期をとる。人手により,不要部分を切り捨て,残った部分を文脈情報として,WWW形式で関連項目を結合して,オーサリング処理をするシステムを試作した。 (3)ダイジェストシステムの試用 (2)のシステムを研究室内で3人の参加者によるビデオ会議に適用し,試用することにより,議事録を作成し,必要な動作記録を収集した。 (4)ダイジェストシステムの評価と考察 収集した動作記録と計算機上に作成されたマルチメディア議事録を合せて検討することにより,議事録の妥当性について考察した。 以上により,インターネット等を利用したビデオ会議の議事録をコンピュータの支援により,作成していくための基本的手法を明らかにした。
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