研究概要 |
本研究は、二つのサブプロジェクトにわけて、進行させた. インターネット上の能動型情報提供システムの研究では,ネットワーク上での電子文書の流通を促進するための新たな枠組みの提案を行ってきた.これまでも情報フィルタリングや選択的情報提供(selective information dissemination,SDI)など,情報の内容や利用者の嗜好を反映した情報の獲得,提供に関する研究は存在したが,本方式では,これら二つの方式を統合することにより,柔軟性の高い情報提供システムの実現の可能性を示唆している.すなわち,提案方式では,電子文書自体が情報流通の主体となり,能動的に情報提供者と利用者の間を選択的に流通する.本研究では,この方式の具体的なアーキテクチャを設計した。この方式は,最近のプッシュ型と呼ばれる情報提供方式をさらに洗練させたものであると考えることができ,ネットワーク上に分散した計算機の能力を有効利用するという立場からみて,今後の実現可能性が高いアーキテクチャである. 構造化文書に対するラッピング手法の研究では,特にSGMLを代表とする構造化文書情報源に焦点をあてた,ディジタル図書館などを含め,現在構造化文書の利用が急速に拡大しているが,一方で,ネットワーク上の莫大な情報資源を統合化したいという要求が現われている.このような統合処理を行うソフトウェアであるメディエータが,多様な情報源について,個々に情報のフォーマットや問合せコマンドなどを把握するのは困難である.本研究では,とくに構造化文書を格納する情報源に絞って,そのラッパーを構築するためのツールキットの設計を行った.
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