研究概要 |
本研究で得られた成果は,以下の5つのフェイズに分類される. 1.ベイズ確率モデルからDS理論モデルへ:客観データを利用できるDS理論モデルを提案し,主観的確信情報と客観的確実情報とを同等に扱える情報統合の方法が確立した.グレイゾーンでのヒューマンによる確信情報を利用し,高信頼度に監視判定することが可能となった. 2.ヒューマン・マシン協調型監視システムにおけるヒューマンの役割:上記の結果を利用してどのような主観的追加情報が有効かを検討し,ヒューマン・マシン協調型監視システムにおけるヒューマンの役割を明らかにした.人間の介入が効果的となる条件や,逆に弊害となる場合,すなわち自動監視の方が望ましい場合を厳密に特定することができる. 3.時間制約の人間信頼性への影響:グレイゾーンで新しく得る人間の確信情報への影響が大きいと思われる時間制約に着目し,人間の判断に時間制約のファクターがどのような影響を与えるかを考察,ヒューマン・マシン協調監視への影響を検討した. 4.グレイゾーンの積極的利用:グレイゾーンの削減と不確実性減少とは必ずしも一致しない.グレイゾーンを活用するという観点に立ち,設備管理での状態監視保全や製品安全設計への応用,グレイゾーンの積極的利用による新しい安全設計パラダイムを提案した. 5.移動型安全監視システムにおけるグレイゾーンの利用:グレイゾーンを感知できる移動可能なセンサで構成された移動型安全監視システムを考え,自動化システムでのグレイゾーンの利用効果を確認した.
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