研究概要 |
R.C.Boseの直交配列の構成法を一般化した方法を提案した.その方法を使えば直交配列のみならず,不完全直交配列,均斉配列(Balanced Array)など組合せ的配列と呼ばれいる配列が構成できることをしめした.具体的には3次元有限射影幾何上の楕円曲面を使い,ある種の自己同型群で生成した多変数2次関数より新しい均斉配列が構成できることを証明した.この結果は平成7年6月のコロラド州立大学での国際会議で "R.Fuji-Hara and N.Miyamoto,Balanced Arrays from Quadratic Functions " として発表し,Journal of Statistcal Planning Influenceに投稿中である.この結果を拡張した論文 "A Construction of Combinatorial arrays from Non-linear Functions". R.Fuji-Hara and N.Miyamoto,を平成8年12月Utilitas Mathematicaに投稿した. つぎに二次形式のかわりにHermitian形式を用いた方法で結果を得た.これは国際自然科学研究所研究集会で「Hermitian形式と均斉配列,宮本暢子,藤原良」を発表し,また平成9年3月のSouth Eastern Conference on Combinatorics,Graph Theory and Computingで発表する予定である. また,代数幾何学上の有名な「リーマン・ロッホの定理」を有限射影平面上で用いて,均斉配列が構成できることを証明した.これは組合せ的配列の構成に代数幾何学を応用した初めての結果であり,今後の組合せ的配列の構成法に大きな影響を与えるものと思われる.この結果も平成7年8月の「科研総合Aの研究集会:符号・暗号と組合せ理論」で「代数曲線上のBalanced Arrays, 篠原聡,藤原良」として発表した.そして平成8年7月に "Balanced Arrays and Riemann-Roch Theorem ",Ryoh Fuji-Hara and Satoshi ShinoharaとしてJournal of Designs,Codes and Cryptographyに投稿した. 楕円曲線を用いて構成する方法も研究中である. その基礎的結果は 研究集会「実験計画法の数理的基礎とその応用(神戸)」で「楕円曲線と組合せデザイン,篠原聡 藤原良」として発表した. その他,均斉配列に関連する研究として ・「Incomplete ranking problemにおけるある行列について,二神容子,栗木進二」も研究集会「符号・暗号と組合せ理論」で発表した. ・「More efficient cyclic designs 宮内仁司,栗木進二」研究集会「実験計画法の数理的基礎とその応用(神戸)」で発表した.
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