研究概要 |
本研究では,管理・間接部門の効率化、および高齢者の転職や有効利用,さらには海外へのわが国の優れた管理技術の移転のフレームワークを与えることを目標に以下の3つのテーマを掲げた. 1.管理・間接業務の仕事の分析モデルを構築する. 2.日本のボトムアップ的自律機能モデルについて体系化を行い,ITによる補完の方策を明らかにする. 3.1.,2.の成果に基づき管理・間接業務,特に高齢者の職務環境について適用する. これらに対して以下のような成果を得た. 1.管理・間接業務の仕事の分析の方法論および適用 従来の作業分析方法についてサーベイを行い,中でも管理・間接業務に適していると考えられるIDEF,DFDなどの手法について比較検討を行った.さらに,これらの分析手法を用いて分析した結果得られたワークフローについて効率化分析を行う手法を開発し,実際に複数の事業所の事例に適応してその有効性を検証した. 2.人的資源活性化のための方法論 これまでわが国が優位を保ってきた人を中心としたボトムアップ的な自律モデルとしてJIT,TPM,TQCなどの管理モデルを取り上げ,比較およびABCなど他の管理手法との比較を行った.その結果,これらを相互補完的に活用することの有効性を明らかにし,ITによる効率化の方策について考察した. 3.高年齢者のための職場環境変化支援 管理・間接業務,特に高齢労働者の職場環境変化や新技術導入を支援するために,IT導入時の情報の提供内容について実際に実験を行うことにより調査をおこなった.さらにその結果に基づき高年齢者を対象としたIT導入時の教育・訓練について,心理的抵抗の排除,モティベーションの高揚などメンタルな側面の影響なども考慮した指針を提案した.
|