機器の経過時間のみに基づく従来の時間計画保全は、故障率が一定の場合には適用できない。この場合、近年の新しい保全方式として誕生したセンサーやモニター信号に基づく状態監視保全が有用となる。本研究では、システムの劣等状態がマルコフ過程に従い、その真の状態Sは、外部より観測不可能とする。この時、真の状態Sに対し、モニターの状態Mが確立的に与えられ、この情報に基づき対象とするシステムへのアクションを施す。この時、次の検討を行った。 (1)警報を発する閾値を可変とする複数個のモニターにより、最適モニターを設計する。 (2)3個以上のモニターが与えられた場合の、モニターの閾値の最適化を図る。 以上を、統計的意思決定論の枠組みにて定式化し、その結果モニター数3および4個の場合につき各モニターの閾値は等しくすることにより、最適方策が与えられることが示された。
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