研究課題/領域番号 |
07680583
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
瀧本 晃一 山口大学, 農学部, 教授 (00115875)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | spontaneous mutation / crp gene / base change / IS / deletion / E.coli / chromosomal DNA / frameshift |
研究概要 |
変異原がどのような型の変異を誘発するか、頻度、原因となるDNA損傷、考えられる変異誘発機構、ミスマッチや傷害を修復する機構との対応など総合的に考えることが変異原の遺伝毒性を理解する上で重要である。個々の変異原による変異の違いや特異性を知るためには、バックグラウンドとなる自然突然変異を、生物全般に起こりうる変異としての特性を明らかにしておく必要がある。変異の分子レベルでの研究には従来からプラスミドなど染色体外小遺伝子がその便利さゆえに用いられてきたが、染色体DNAの反応を完全に反映していないおそれがある。本研究では大腸菌染色体上crp遺伝子に生じた自然変異による塩基配列の変化を調べた。 PCR法で当該遺伝子約1kbをクローニングし、46の独立変異クローンについて解析した。自然変異の頻度は10^<-7>のオーダーであった。変異の内訳は、塩基置換は24(52%)、フレームシフトが11(24%)で1塩基欠失と1塩基挿入がそれぞれ7と4、欠失が2(4%)で-18塩基と-172塩基、9塩基挿入が1(2%)、及びIS(insetion sequence)の挿入が8(17%)であった。塩基置換ではtransversionが17でGC to TAが6、GC to CGが2、AT to TAが5、AT to CGが4であり、transitionは7でGC to ATが4、AT to GCが3であった。GC to TAが最も多いが、プラスミドなどで報告されている大きな偏りは認められなかった。また、同じ標的遺伝子ですでに報告しているX線や陽子線誘発変異のスペクトラムとも異なっていた。自然変異における塩基置換は極めて小数の限定された原因でしょうじると考えるよりは、いくつもの原因が大きな偏りなく作用していると考えたほうがよいと思われる。欠失変異では欠失部位の両側にリピート配列が存在し、roopout-構造をとると考えられる。
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