研究課題/領域番号 |
07680590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高柳 進之輔 東邦大学, 医学部, 教授 (00105438)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イネ / 紫外線 / DNA損傷 / 光回復 / 除去修復 / 画像解析 / UV-B / 紫外線抵抗性 / 紫外線感受性 / CPD(シクロピリミヂンダイマー) / 内因性DNA損傷量 |
研究概要 |
アガロースゲル電気泳動像の画像解析は、そのソフトの改良作成に時間がかかったが、専門家の協力により所期の目的を達成することが出来た。この画像解析装置の信頼性を検定するため、今回開発した装置での試料のデータ(Cyclobutyl pyrimidene dimer CPD量)を米国のSutheland博士のところで同じ試料を使って試験して貰った結果を比較したところ、ほぼ同一の結果が得られ、ソフトにはほとんど問題のないことが解った。 この装置を使って、紫外線感受性と紫外線抵抗性のイネ2種を用いてUV-Bを照射し、DNA損傷をCPD形成量として調べたところ、損傷の度合いは両者とも同程度であった。しかし、形成されたDNA損傷の修復について光回復および除去修復能について調べたところ、両者とも両機構を備えているが、紫外線感受性株(Serjumki)は、紫外線抵抗性(marithbachi sc-6)よりも修復能が弱いことが判明した。また、光回復はUV-Bでの損傷を受けると直ちに機能するのに反し、除去修復はゆっくり働くことが解った。これらの結果は、少なくともイネの「紫外線抵抗性」とは紫外線によるDNA損傷量は同じだが、その修復能の高さの違いであると結論づけられる。 次いで、イネの各生育段階について、第1-2葉の時期、3-4葉の時期、5-6葉の時期の紫外線に対する感受性について、DNA損傷の度合い、光修復能と除去修復能などを調べた。この結果、1-4葉までの時期におけるイネのDNA損傷の度合ならびに修復能は、ほぼ同じであったが、5-6葉以後になるとDNA損傷の度合は2割ほど減少した。この理由は、この時期には葉緑体が増加や細胞の肥厚により核DNAに到達する紫外線量の減少が挙げられる。これらの結果、現在日本で栽培されているイネの紫外線抵抗性を調べ、オゾン層の減少による紫外線の影響を最小限にくい止める方策が必要である。
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