研究課題/領域番号 |
07680612
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 助教授 (20039291)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | キトサン / 硝酸イオン / 選択性 / 環境汚染物質 |
研究概要 |
(1)硝酸イオンに対する高選択的キトサン誘導体樹脂の分子設計および合成 キトサンの塩基性が高い(pKa=6.8)ために、キトサンは水溶液中(pH〜7)でカチオンとして存在しており、硫酸イオンや硝酸イオンなどの陰イオンに対して親和性を示すと考えられるが、イオン交換樹脂の場合と同様に硫酸イオンと硝酸イオンが存在していると、電荷の低い硝酸イオンよりも電荷の高い硫酸イオンに対して選択性を示すと考えられる。そこで我々は、キトサンが硫酸イオン以上に硝酸イオンに対して選択性を発現するように、以下に述べる2点について検討した。 (i)硫酸イオンが硝酸イオンに比べて立体的に嵩高いことを利用して、硝酸イオンに対する選択性を発現させる。つまり、キトサンを架橋することによって網目構造を形成させ、その網目の大きさを架橋剤の種類(メチレン鎖長の長短)によって調整し、硫酸イオンが排除できるように樹脂構造の最適化を行った。また、架橋剤の種類によってキトサン由来の1級アミノ基を2級アミンにしたキトサン誘導体も合成し、これらの塩基性の違いによる硝酸イオンの選択性についても検討した。 (ii)前述の(i)で得られたキトサン誘導体は、それほど塩基性が大きくないので弱酸溶液からの硝酸イオンの吸着はできるが、中性領域から急激にその吸着量は低下した。そこで中性領域からも硝酸イオンの吸着ができるようにキトサン由来のアミノ基を4級化した。キトサンをそのままトリメチル化した4級化キトサンおよび硝酸イオンを鋳型とした4級化キトサンである。これらのキトサン誘導体を用いて、硝酸イオンの吸着特性について単一溶液および硫酸イオンや塩化物イオンとの混合溶液から検討した。 (2)上記4種類のキトサン誘導体の硝酸イオン吸着特性 吸着部位に1級あるいは2級アミンを有するキトサン誘導体(それぞれCLC,GCLCと略する)は、水溶液のpHが高くなると水素イオン濃度が低くなり、プロトネーションされず、硝酸イオンの吸着量が減少した。一方、pHが低くなりすぎるとpH調整に用いた塩酸由来の塩化物イオンの吸着がおこり始め、硝酸イオンの吸着を妨害した。このように遊離のアミンを有するCLCおよびGCLCは、pH=4〜5付近で最大吸着量を示した。低架橋度の場合には、架橋度が大きくなるにつれて硝酸イオンの吸着量は大きく変化しないが、混合系からの硫酸イオンの吸着量は減少した。この結果から硫酸イオンに対する硝酸イオンの選択性は架橋度を増加することによって発現できることが明かとなった。また、塩基性の違いによる硝酸イオンの選択性は硫酸イオンや硝酸イオンの混合溶液からの結果、1級アミンより2級アミンを有したキトサン誘導体が硝酸イオン選択性に優れていることがわかった。また、鋳型にした効果は選択性には殆ど現れず、飽和吸着量が大きく増大した。
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