研究概要 |
本研究ではムギネ酸類-鉄(III)錯体トランスポーターの分子構造を推定する目的で、先ずムギネ酸関連化合物の合成を行なった。 1)3′(S)-N-[3-carboxy-(3-carboxypropylamino)propyl]glycine(1)はγ-butyrolactoneから誘導されるbutan-4-al-oic acid(3)とL-homoserine lactone(4)をNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行い、N-アルキル体(4)とし、続いてイミノ基を保護して化合物(5)とし、5は水酸化ナトリウム、ベンジルブロマイド、ピリジニウムクロロクロメイト(PCC)で処理し、L-N-(3-carboxypropyl)homoserine aldehyde(6)とし、最後に6とglycineとをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、精製することによって得られる。2(S),3′(S)-N-[3-carboxy-(3-carboxypropylamino)propyl]homoserine(2)は上記と同様に6と4とをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、最後に水酸化カリウムで処理し、精製すると得られる。 2)3′(S),3″(S)-N-[3-amino3-carboxy-(3-carboxypropylamino)propyl]glycine(7)は4から誘導されるL-homoserine aldehyde(9)と4とをNaBH_3CN存在下還元アルキル化、続いてイミノ基を保護して化合物(10)に導き、10は水酸化ナトリウム、ベンジルブロマイド、PCCで処理し、3″(S)-N-[3-amino-3-carboxyprpyl)homoserine aldehyde(11)とし、最後に11とglycineとをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、精製することによって得られる。2(S),3′(S),3″(S)-N-[3-carboxy-(3-amino-3-carboxypropylamino)propyl]homoserine(8)は上記と同様に11と4とをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、最後に水酸化カリウムと処理し、精製すると得られる。 3)3′(S),3″(S)-N-[3-carboxy-(3-carboxy-3-hydroxypropyl)aminopropyl]glycine(12)はglycineとL-aspartic acidから誘導される4とをNaBH_3CN存在下還元アルキル化、続いてイミノ基を保護して3′(S)-N-(3-carboxy-3-amino-propyl)glycine(14)とし、最後に14とL-malic acidからL-α-hydroxy-γ-butyrolactone経て誘導されるL-malL-4-al-ic acidとをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、精製することによって得られる。3′(S),3″(R)-N-[3-carboxy-(3-carboxy-3-hydroxypropyl)aminopropyl]glycine(13)は14とD-malic acidからD-α-hyroxy-γ-butyrolactoneを経て誘導されるD-mal-4-al-icacidとをNaBH_3CN存在下還元アルキル化を行ない、続いて脱保護、精製することによって得られる。
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