研究課題/領域番号 |
07680669
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
十川 和博 東北大学, 理学研究科, 助教授 (80175421)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Ahリセプター / Arnt / タンパク質リン酸化 |
研究概要 |
薬物代謝の代表的な酵素であるチトクロームP-4501A1はベンツピレンやダイオキシンなどの環境汚染物質によって誘導される。この誘導には外来異物をリガンドとして受容するAhリセプター(AhR)とArntと名づけられたタンパク質がヘテロダイマーを形成し、遺伝子転写調節領域に存在するXRE(Xenobibtic Respensive Element)に結合することによっておこる。またこの過程にAhR/Arntのリン酸化が必要であることが示唆されている。我々はこのAhRとArntのcDNAを発現プラスミドに組み込み培養細胞(293cell)で発現させた。このとき培養液に^<32>Pで標識した無機リン酸を加え、AhRとArntの特異抗体で免疫沈降を行い、SDSPAGEによって解析したところ、AhRもArntもリン酸化タンパク質であることが判明した。ただしAhRについては用いた抗体の特異性が低いためとAhRの発現量が少ないため非常に弱いシグナルしか得られなかった。Arntに関してリン酸化アミノ酸を分析したところセリン残量がリン酸化されていることがわかった。これとは別にAhRとArntをバキュロウイルス系で大量発現し、DNA結合活性をXREをプローブとしてゲルシフトアッセイで調べた。その結果ヘテロダイマーによる特異的な結合が観察された。この系で発現したAhRとArntがリン酸化されているかどうかは不明であるが、発現したAhRとArntをバクテリア由来とウシ小腸由来のアルカリホスファターゼで処理したところ、そのDNA結合活性は変化しなかった。このことからAhRとArntのヘテロダイマーのDNA結合活性にはリン酸化の影響がないことが示唆された。以上の結果からAhR/Arntによる誘導系に対するリン酸化の影響はDNA結合以外のところで必要であることが推定された。
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