研究課題/領域番号 |
07680672
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 道比古 山形大学, 医学部, 助教授 (00135344)
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研究分担者 |
石川 和信 山形大学, 医学部, 助手 (80222959)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ヘムオキシナーゼ / 転写制御 / カドミウム / ストレスタンパク質 / USF / グリオーマ細胞 / ヘム分解 / 転写因子 |
研究概要 |
USFは現在までにヘムオキシゲナーゼを始めとする30種類以上の蛋白質をコードする遺伝子においては転写においては転写調節に重要な働きをしていることが判っている。私共はカドミウムによるラットヘムオキシゲナーゼ遺伝子の転写調節研究を行う中で、本遺伝子上流域約50bpにある結合サイトへ結合するUSFの挙動がカドミウムにより変化を受けていることを示唆する結果を得た。そこで、ラットヘムオキシゲナーゼ遺伝子上流域変異体をCAT遺伝子の制御領域に組み込んだプラスミドをC6グリオーマ細胞に導入し、カドミウムによる転写調節の変化の程度を観測した。その結果カドミウム処理により約4-5倍程度の転写活性の上昇が見られた。 私共を含め従来の手法ではこの転写活性の増大は観測されてこなかった。それが今回観測可能となったのは、プラスミドの翻訳開始点上流にあったATGを削除したことによる。また亜鉛、錫、銅、ニッケル、マンガン等の金属イオンではカドミウムのような顕著な転写の増大は観測されなかった。 さて、このカドミウムによる転写増大の効果の原因は一体何によるのか、を調べるためにすでにキレート剤、脱リン酸化酵素処理などを行ったが変化は認められていない。また結合領域を調べても差は見い出されていない。そこでUVクロスリンキング法でUSF領域に結合する蛋白質の分子量を検討したところ、カドミウム処理した核抽出液を使用した場合、コントロールに比べ分子量が小さくなることを示唆する結果を得た。 本研究はカドミウムにより生じた転写因子の構造変化によるUSF制御遺伝子群への群特異的転写調節機構の存在を示唆している。
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