研究課題/領域番号 |
07680673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂内 四郎 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (70019579)
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研究分担者 |
佐藤 英世 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60235380)
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20111370)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 活性酸素 / 抗酸化物質 / ストレス タンパク質 / 酸化ストレス / マクロファージ / ストレスタンパク質 / 分子クローニング |
研究概要 |
我々はこれまで、マウスのマクロファージにおいて酸化ストレスで誘導される23-kDaタンパク質を発見し、その遺伝子をクローニングしている。本研究では、このタンパク質MSP23の機能を調べる目的で、まず、ラット肝より相同タンパク質を精製した。その精製標品を用いて、MSP23はチオール化合物依存的に、ある種酵素タンパク質の酸化的失活変性を防止することが明かになった。また、このタンパク質はヘミンに親和性を持ち、ヘミンとよく結合すること、およびヘミンと結合すると酸化変性防止作用は失われてしまうことが明かになった。MSP23が酵素の酸化的失活変性を防止する作用はチオール化合物であるジチオスレイトール存在下で発揮され、チオール化合物は自らが酸化的損傷を受けたMSP23の再生に関与するものと考えられた。そこで、生体内での再生系を推進するために、チオレドキシンとその還元システムをMSP23と共存させ、抗酸化作用を検討した。しかしながら、このコンビネーションでは抗酸化作用は明かにはならなかった。加えた酸化刺激が強すぎ、チオレドキシン系を直接に障害した可能性も考えられ、更に検討する必要がある。次に酸化ストレス負荷時のMSP23の誘導がマクロファージ以外でも起こるか調べた。その結果、酸化LDLで処理した血管平滑筋細胞でMSP23が強く誘導されることが示され、動脈硬化病変におけるこのタンパク質の防御的役割が示唆された。しかし、酸化ストレスが関与する可能性のある実験膵炎モデルではMSP23の誘導は見られなかった。一方、肝より MSP23の精製標品を多量に得ることは困難なので、このタンパク質の遺伝子を大腸菌・酵母のシャトルベクターに組み込み、酵母による大量調製を試みた。その結果、酵母に MSP23を作らせることには成功したが、実用になるほどの大量を合成する組み換え体の作製にまでは至らなかった。
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