研究課題/領域番号 |
07680739
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中井 彰 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (60252516)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ストレス蛋白質 / ストレス応答 / 分子シャペロン / 転写因子 / 転写 / HSP / HSF |
研究概要 |
申請者は、ヒトの第4番目のHSF、HSF4のcDNAの単離に成功した。本年度は、全長をもつHSF4cDNAの単離を行ったうえでHSF4の性質について解析し、その機能にアプローチすることを目標とした。 新しく単離したcDNAクローンphHSF4-7は1555の塩基配列からなり、463アミノ酸をコードすると予測される。予測される産物hHSF4は、既知のHSFと比較してDNA結合ドメイン、オリゴマー形成ドメインに高い相同性がある。DNA結合ドメインを比較するとhHSF4はhHSF1と76%の相同性をもち、cHSF1、cHSF2、そしてcHSF3とは73%、66%、そして56%の相同性をもつ。HSF1、HSF2,そしてHSF3の全てにカルボキシル基末端側にはロイシンジッパー様構造が存在し、DNA結合能を負に調節している。興味深いのは、hHSF4にはこの構造が存在しない。実際、in vitroでhHSF4を合成すると、構成的にDNAへの結合能をもち、熱ショックを与えるとDNA非結合型になる。hHSF4の発現をmRNAのレベルで調べると、心臓、骨格筋で2.5kbのmRNAが、また、すい臓で4.5kbのmRNAが強く発現していた。HSF4は転写活性化能をもたない。HeLa細胞にHSF4を強発現したstable lineを5つ単離して、ターゲットであるストレス蛋白質の発現量を調べた。その結果、hsp90とhs2p7は例外なく発現量が低下していた。hsp70についてはほとんど変化なかった。以上の結果は、hHSF4が構成的なストレス蛋白質の発現を組織特異的に負に調節している可能性を示唆していた。
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