研究課題/領域番号 |
07680744
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ATPase / プロテアーゼ / メタロプロテアーゼ / 熱ショック応答 / ストレス応答 / σ因子 |
研究概要 |
σ32を特異的に分解するFtsHプロテアーゼについて以下の点を明らかにした。(1)σ32の分解反応系においてシャペロン蛋白DnaK、DnaJ、GrpEが果たす役割を解析し、これらのシャペロンを加えてもσ32の分解促進は起らず、むしろDnaK,DnaJの添加によって分解は有意に阻害された。それにGrpEを追加するとその阻害効果は消失した。(2)RNAポリメラーゼを分解系に添加するとσ32の分解は強く阻害され、これにシャペロンを加えても阻害効果は変化しなかった。(3)In vivoの結果より、σ32の安定性に関与するC領域を欠失した変異σ32の分解をin vitroの系で調べたところ、予想に反してかなり効率よく分解された。(4)ftsH欠損変異による致死を抑制するサプレッサー変異を同定し、この遺伝子はリポ多糖の合成を制御するfabZ遺伝子であること、ftsH変異株ではリポ多糖の合成量が上昇し、異常な膜構造が出現することを明らかにした。サプレッサー変異によって細胞内のσ32の量や安定性が変化するということはない。(1)、(2)の結果よりσ32分解反応におけるシャペロンの働きはDnaK-DnaJのσ32への結合により、σ32がRNAポリメラーゼに再結合(して安定化)するのを防ぎ、それにGrpEが作用してシャペロンから遊離したσ32をFtsHプロテアーゼが分解するというモデルが考えられる。もちろん、それ以外の可能性もあり今後さらに検討したい。(3)の結果は、FtsHプロテアーゼによる基質認識はσ32のC領域以外が重要であることを示唆するものである。C領域はシャペロンの結合に重要であることを示唆するin vivoのデータがある。今後FtsHの認識に必要な領域を詳細に検討していく。(4)の結果によりσ32以外に膜の生合成に関連する新たなFtsHプロテアーゼの基質発見の可能性が示唆された。
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