研究課題/領域番号 |
07680769
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牟田 達史 九州大学, 理学部, 助手 (60222337)
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研究分担者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | リボ多糖 / 異物認識 / 脱顆粒 / 無脊椎動物 / カブトガニ / flow cytometry / 血球細胞 / 生体防御 |
研究概要 |
カブトガニ血球細胞はごく微量の細菌内毒素(lipopolysaccharide、以下LPSと略)に鋭敏に反応し、細胞内の大小分泌顆粒内に含まれる体液凝固因子群やdefense molecule群を細胞外へ放出しつつ、体液凝固を惹起する。これまで、LPSやβ-グルカンによる体液凝固反応の生化学機構についてはほぼその全貌が明らかになったが、細胞のLPS認識機構については未だ全く不明である。本年度は、このLPS認識に関わる細胞膜上の分子を同定する目的で、蛍光ラベルしたLPSを用い、血球のflow cytometryによる解析を行った。 脱顆粒を防ぐため、血球細胞を採血後直ちに1%のparaformaldehydeで4℃、30分固定した後、解析に用いた。哺乳類細胞においてLPSを非特異的な結合がみられない条件下、すなわち1mg/mlのBSA共存下、0℃で30分間、FITCラベルしたLPS (E. coil 0111 : B4株由来)と血球細胞を反応させると、FITC-LPSの濃度依存的な細胞への結合が観察された。さらに、biotinラベルしたS. minnesota R595株由来のLPSとstreptavidin-FITCを用いた解析でも、biotin-LPSに依存したstreptavidinの細胞への結合が観察された。このLPSの細胞表面への結合にはhemolymph plasma成分は要求されず、100倍過剰の無意識の0111 : B4、あるいはR595株由来のLPSを加えるとFITC-LPSの結合が約40-60%減少した。さらにLPSの結合は37℃、30分のtrypsin (0.1mg/ml)あるいはproteinase K処理によって低下がみられた。以上の結果より、血球細胞表面にはLPSを直接認識し結合するタンパク質性因子の存在が示唆された。
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