研究課題/領域番号 |
07680781
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
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研究分担者 |
田代 裕 関西医科大学, 医学部, 学長 (40077558)
柾木 龍一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70140283)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | HPC-1 / シンタキシン(syntaxin) / 細胞膜 / C末端アンカー型膜蛋白質 / 遺伝子導入 / COS細胞 / クロマフィン細胞 / クロマフィン顆粒 |
研究概要 |
HPC-1/syntaxinは、シナプス小胞の開口分泌に必須の蛋白質であり、C末端の疎水的アミノ酸配列によって細胞膜にアンカーしていると考えられている。本研究では、1.COS細胞へのHPC-1/syntaxinの遺伝子導入による細胞膜局在化機構の解析と、2.HPC-1/syntaxinの細胞内分布の詳細な解析をおこなった。 1.HPC-1/syntaxinの細胞膜局在化機構の解析。COS-1細胞にHPC-1/syntaxinの野生型、欠失変異体、およびキメラ蛋白質を遺伝子導入法により発現させ、蛍光抗体法によりその細胞内分布を解析した。野生型蛋白質は、細胞膜およびゴルジ体に検出された。C末端の疎水的アミノ酸配列(23アミノ酸)を欠失させた変異蛋白質は、細胞質にデフューズに存在した。逆に、HPC-1/syntaxinの疎水的アミノ酸配列を含むC末端33アミノ酸残基をクロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼに付加したキメラは細胞膜に局在した。次に、HPC-1/syntaxinのC末端の疎水的アミノ酸配列を、小胞体蛋白質のミクロソーム型アルデヒド脱水素酵素の膜貫通部位に置き換えたキメラ蛋白質は小胞体に、それを細胞膜蛋白質であるオプシンの膜貫通部位の1つと置き換えたキメラ蛋白質は細胞膜に局在した。疎水的アミノ酸配列の直前(N末側)に存在する正電荷に富む領域(19アミノ酸)を欠失させたものは、小胞体に局在した。以上の事実から、1.HPC-1/syntaxinは、まず、小胞体膜に挿入された後、分泌経路により細胞膜に輸送されること、2.C末端33アミノ酸配列がHPC-1/syntaxinを細胞膜に局在させるのに十分であること、3.C末端の疎水的アミノ酸配列がHPC-1/syntaxinの膜挿入、細胞膜への局在化に重要であること、正電荷に富む領域も、HPC-1/syntaxinが小胞体からゴルジ体へ輸出されるのに必要であることが示された。 2.副腎髄質クロマフィン細胞におけるHPC-1/syntaxinの細胞内分布。細胞分画法と免疫電顕法を用いて、HPC-1/syntaxinがクロマフィン細胞の細胞膜だけでなく、クロマフィン顆粒膜にも存在することを明らかにした。
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