研究課題/領域番号 |
07680783
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡崎 賢二 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助教授 (50211115)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Mos / MAPキナーゼ / c-Fos / がん遺伝子 / リン酸化 |
研究概要 |
1. c-Fosのリン酸化と安定化におけるMAPK経路の必要性: Mosによる細胞のがん化にはMAPK経路の活性化が必須であることから、c-Fosのリン酸化/安定化にもこの経路が関与している可能性が高いと考えられた。そこでMosによるc-Fos安定化に対する野生型と優勢不能型MEK1の影響をみたところ、c-Fosの安定性は野生型MEK1によってさらに増強され、優勢不能型Mek1によって、ほぼ完全に抑制された。さらに、構成的活性型MEK1によってc-FosはMosの場合と同様に安定化された。また、MAPK特異的な脱リン酸化/不活性化酵素であるCL100によって、Mosによるc-Fos安定化は完全に阻止された。以上の結果から、Mosによるc-Fos安定化は細胞のがん化の場合と同じく、MAPK経路を通じて行われることが確かめられた。これから予想される通り、やはりMAPK経路を活性化できる活性型のRafやRasなどの共発現によってc-Fosがリン酸化と安定化を受けることも示された。 2. c-Fosの安定化に対するc-Junの効果: 培養細胞での一過性発現の系を用いて、c-Fosに対するc-Junの共発現の効果を解析した結果、c-Junとの二量体形成がc-Fosの分解を著しく加速するという興味深い結果を得た。転写因子AP-1としての現役のc-Fosと予備のc-Fosとの代謝速度を別個に調節することによってAP-1活性を一定水準に保つという巧妙な分子機構の存在が示唆され、リン酸化による安定化との関連を含めてその解明が待たれる。
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