研究課題/領域番号 |
07680798
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 弘爾 京都大学, 化学研究所, 助手 (00251489)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / 形態形成 / 高等植物 / 細胞除去 / 発生生物学 / 予定発生運命 |
研究概要 |
花芽における器官発生の場である、whorlの決定がいつ起こるのか、また一度決定されたwhorlはその後分化方向を転換することができるのか、ということをモデル実験植物であるシロイヌナズナを用いて、分子レベル・細胞レベルで明らかにするべく本研究を進めた。 各whorlにおける器官発生は、一連の遺伝的プログラムによって抑制されているが、細胞レベルでみたとき、whorlを構成する個々の細胞の発生運命は固定されているのか、あるいは本来ならば他のwhorlから発生するような器官にも分化し得る柔軟性を保っているのかを明らかにするため、Whorlの分化が明確となる、がくの原基が形成された後、花の各器官が発生する前の色々なステージの花から、微小操作法で各whorlの細胞を除去することを試みた。しかし機材の制約もあって、微小操作法で個々の細胞を除去することは極めて困難であった。そこで次にレーザービームによって個々の細胞を焼き殺すことを試みた。名古屋大学農学部のレーザー顕微鏡を借用し、花芽茎頂の特定の細胞にレーザービームを当て、その細胞を焼き殺した。この実験を行う過程で、色々な問題点が明らかとなったが、装置自体の改良を含むため今後の課題とせざるを得ない。 次にPISTILLATA遺伝子のプロモーターにジフテリア毒素サブユニットA遺伝子をつなげたものを、シロイヌナズナに遺伝子導入し、第2・3whorlの細胞を殺した場合の発生運命への影響を調べる、遺伝学的細胞除去については、形質転換植物固体を得ることができた。しかしながら、時期特異的に細胞毒を働かせるために用いた温度感受性のジフテリア毒素は、その毒性が弱いためか細胞への影響は作用温度下でも観察されなかった。現在組織特異的プロモーターと、ステロイドホルモン誘導系とを用い、組織・時期特異的にジフテリア毒素を働かせる形質転換植物を作成中である。この植物を用いることで、本研究の当初の目的である、毒素を働かなくさせる時期をいろいろ変えることによって、分化転換が可能な花の発生ステージを明らかにすることができると期待している。
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