研究課題/領域番号 |
07680822
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北本 哲之 東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | プリオン / クロイツフェルト・ヤコブ病 / 遺伝子置換 / トランスジェニック |
研究概要 |
家族性クロイツフェルト・ヤコブ病(以下CJDと略)やゲルストマン・ストロイスラ-症候群のプリオン蛋白遺伝子に点変異が存在することが知られるようになってから、今までのマウスへの伝播実験で得られる実験動物では、モデル動物として不十分であることが明らかとなってきた。この不十分さを補うために、本研究ではプリオン病(特に点変異を有する)のマウスモデルの作製を主目的とした。まず、正常なプリオン蛋白の発現をめざして、ES細胞を用いてマウスからヒトへの遺伝子置換を行った。loxpの間にneo遺伝子とgpt遺伝子をはさむヒト型のプリオン蛋白遺伝子をES細胞に導入し、homologous recombinationを確認後、germ-line化し、ヘテロのマウスの受精卵にCre recombinaseを導入し、完全な形の遺伝子置換に成功した。この方法により、ヒト型プリオン蛋白が、マウスのプリオン蛋白と同様の発現分布および発現量が得られることが期待できる。次にプリオン蛋白遺伝子の過剰発現の系として、トランスジェニックのシステムを利用した。マウスのプリオン蛋白遺伝子のプロモーター領域、exon1,exon2をクローニングし、20kbpにおよぶintron2をBgl IIとBamH I間で欠失させたトランスジーンを準備し、マウスの卵に導入した。F1 マウスのDNA解析にて、11匹中2匹にトランスジーンを確認し、現在はトランスジーンのホモ化を行っている。上記のように、予定していた過剰発現、および正常発現のヒト化マウスの作製の系は本研究の期間内に終了することが出来た。今後は、この系を使用して、さらに多くの変異マウスを作製するとともに、作製したマウスを用いて伝播実験を行う予定である。また、intron 2の欠失のないトランスジーンの作製にも成功しており、より自然な遺伝子を用いて過剰発現の系を得ることが可能となった。
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