研究課題/領域番号 |
07680834
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
杉本 哲夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (90144352)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | μ受容体 / アセチルコリン / 神経縫合 / 迷走神経 / 舌下神経 |
研究概要 |
標的変更ニューロン系の作製 ラット迷走神経起始ニューロン部位(疑核及び迷走神経背側運動核)においてμオピオイド受容体の遺伝子発現を検出した(ジゴキシゲニン標識cRNAプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法)。ついでアセチルコリン合成酵素(ChAT)の遺伝子発現を同様の手法により検出したところ、上記2核のほか舌下神経起始核にも強い発現を認めた。そこで、標的変更を施したラットでの発現変化をこれらのプローブを用いて調べた。標的変更には迷走神経と舌下神経を頚部で切断の上、迷走神経の中枢断端を舌下神経の末梢断端に端々吻合した(術後30-90日間生存)。HRPを舌筋に注入したところ、舌下神経核ニューロンは両側性に逆行標識された。さらに、吻合側の疑核と迷走神経背側運動核ニューロンの一部が逆行標識された。以上の所見は、迷走神経に線維を送るニューロンが吻合手術ののち吻合域下流で舌下神経を通り、舌に線維を送っていることを意味することから、標的変更ニューロン系として充分機能していると考えられた。 標的変更ニューロン系での遺伝子発現変化の解析 上記ラット(標的変更系)と迷走神経結紮を施したラット(結紮群)を用いて、μ受容体とChATそれぞれの遺伝子発現動態を追究した。μ受容体は、結紮群では結紮側の疑核及び迷走神経背側運動核において終始陰性であった。標的変更系では30日目より90日目にかけてかなりの数のニューロンに発現が回復していた。舌下神経核におけるμ受容体発現は陰性であった。ChATは、結紮群では上記のいずれの迷走神経起始核にも陰性。標的変更後ではμ受容体とほぼ同様の経過で発現が回復した。舌下神経核におけるChAT発現は多かれ少なかれ陽性であった。異種神経支配を形成した起始ニューロンにおいて遺伝子発現は回復しうることが明らかになった。
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