研究課題/領域番号 |
07680842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 山口大学 (1996) 大阪大学 (1995) |
研究代表者 |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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研究分担者 |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
林 謙一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (90238105)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アネキシン / カルスペクチン / シナプシンI / カルシウム・イオン / リン脂質 / リン酸化 |
研究概要 |
アネキシンVIは、神経細胞において比較的豊富に存在するにもかかわらずその機能は不明である。神経細胞におけるアネキシンVIの機能を解明することを目的としてアネキシンVIの標的蛋白質の検索を試み、その検索法を確立するとともに幾つかのアネキシンVI結合蛋白質の同定に成功した。その結果、細胞膜骨格蛋白質カルスペクチンがアネキシンVI結合蛋白質であることを見い出した。この結合は、Ca^<2+>、燐脂質依存性であった。さらに、アネキシンVIは、Ca^<2+>、燐脂質依存性にカルスペクチンのF-アクチン架橋作用を阻害した。アネキシンVIのカルスペクチンへの結合部位を検討した結果、アネキシンVIはカルスペクチンのN末端側のF-アクチン結合部近傍に結合することが明らかとなった。以上の結果は、アネキシンVIがCa^<2+>、リン脂質依存性にカルスペクチンに結合し、F-アクチンとの相互作用を阻害することにより、F-アクチン-カルスペクチンの細胞膜骨格を制御しうることを示している。また、アネキシンVIがシナプス小胞蛋白質シナプシンIとも結合し、この結合がシナプシンIのcAMP、カルモデュリン依存性燐酸化により抑制されることを明らかにした。さらに、神経細胞中の2つのアネキシンVI結合蛋白質であるシナプシンIとカルスペクチンの相互作用の詳細な解析を行った。その結果、両蛋白質の結合がKd=10nMの高親和性結合であること、シナプシンIのcAMP依存性及びCa^<2+>/カルモデュリン依存性のリン酸化により結合が抑制されることを明らかにした。以上の結果は、前シナプス部においてアネキシンVI及びアネキシンVI結合蛋白質がその機能調節に重要な役割を果たす可能性を示唆する。
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