研究課題/領域番号 |
07680857
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (90130757)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | δ受容体作動薬 / δ_1受容体 / δ_2受容体 / 抗侵害作用 / 精神依存性 / 身体依存性 / モルヒネ / μ受容体 |
研究概要 |
非ペプチド性δオピオイド受容体作動薬TAN-67はδ受容体に高親和性を示すが、熱板法では抗侵害作用を観察することはできなかった。しかし、モルヒネの皮下あるいは脳室内投与による抗侵害作用に対してTAN-67は増強効果を示し、この増強作用はδ受容体拮抗薬(NTI)およびδ_1受容体拮抗薬(BNTX)により拮抗されるが、δ_2受容体拮抗薬(NTB)では拮抗されなかった。したがって、TAN-67はδ受容体サブタイプのうちδ_1受容体に選択的に作用することが示唆された。さらに、この増強作用はμ受容体拮抗薬(β-FNA)でも拮抗されたことから、この増強作用にはμ-δ受容体複合部位が関与しているものと考えられる。また、モルヒネの身体依存性にはμ受容体はもちろんのこと、δ_2受容体も関与することを明らかにし、δ_2受容体拮抗薬がモルヒネ身体依存の形成を有意に抑制することをみいだした。さらに、精神依存性は場所嗜好性試験により評価した。モルヒネが用量依存的な精神依存性を示すのに対して、TAN-67は報酬効果も嫌悪効果も示さず、精神依存形成の可能性は低いと考えられた。しかし、TAN-67をモルヒネと併用投与した場合にはモルヒネの精神依存性を用量依存的に増強した。そして、この増強作用はδ_1受容体拮抗薬(BNTX)およびδ_2受容体拮抗薬(NTB)によって拮抗された。モルヒネによる精神依存性には中脳辺縁ドパミン神経系が深く関与している。モルヒネとTAN-67の併用により中脳辺縁ドパミン神経系のドパミン代謝回転は増強され、この作用はδ_1拮抗薬で拮抗されるが、δ_2拮抗薬では拮抗されなかった。したがって、δ_2受容体を介する増強作用は非ドパミン神経系を介した作用と考えられた。
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