研究課題/領域番号 |
07680861
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
森 啓 財団法人東京都精神医学総合研究所, 分子生物学研究部門, 研究員 (10159189)
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研究分担者 |
白沢 卓二 東京都老人総合研究所, 分子病理学, 研究員 (80226323)
山本 明広 東京都精神医学総合研究所, 技術部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / ラセミ体 / ジーンターゲット / モデル動物 |
研究概要 |
本研究成果には、2つの大きな特色がある。第1に、完全なアルツハイマー病の動物モデルがない現在、IAMT欠損マウスが、アルツハイマー病の、蛋白質異常凝集の実験モデルに成るかもしれないという可能性である。当モデルは、むしろ翻訳後修飾の1つが変化した時にNFTやアミロイドなどの異常蛋白質の異常蓄積が起きるか否かと言う疑問に答えるものである。我々は、b-アミロイド蛋白質の異常蓄積にb-アミロイド蛋白質のラセミ化が関与するというin vitroの結果を得ており(J.Biol.Chem.269:10205-10208,1994)、この結果が、in vivoでどの様な生化学的変化、形態学的変化をもたらすかという点に興味をもっているが、現在までのところのマウスの脳組織には老人斑沈着がない。 第2の特徴は、ジーンターゲッティングという遺伝子工学的手法を、脳老化研究へ応用して見る点である。個体の老化は複雑なシステムの総和として表現されるために、個々のシステムの単独評価は困難である。つまり、老化した個体には、免疫系の老化、循環器系の老化、神経系の老化等が総合的に表現されるので、1つのシステムのみが老化した実験モデルは存在しない。この点では、本マウスは一定の結果を示している可能性がある。つまり、完全に欠損しているホモマウスの寿命は生後8-9週令でほとんどのマウスが死亡することがわかっている。その死因は発作痙攣による呼吸麻痺であることが、疑われた。現在マウスの脳波を測定することに成功しつつあり、この検証を急いでいる。この遺伝子ノックアウトは、今後の脳老化研究に重要なトライアルになると期待している。
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