研究概要 |
1)ラット坐骨神経挫滅後のPLA2の発現・経時的推移:成熟Long-Evansラットの坐骨神経を機械的に挫滅後1,3,5,7,14,21日目に取り出し、OCT compoundを用いて凍結固定した。クリオスタットで8um切片を作成し、(1)OX-42(ラットMac-1、マクロファージを認識)、(2)PLA2に対するポリクローナル・モノクローナル抗体を用いて、Vectastain ABC-Elite kitにより免疫染色を行なった。その結果、マクロファージと思われる細胞の一部がPLA2が陽性であった。この結果は既に昨年度報告したがさらに今年度も確認した.シュワン細胞と考えられる細胞は陽性でなかった.2)培養シュワン細胞・マクロファージによるPLA2の産生・分泌:シュワン細胞は生後2日目のLong-EvansラットからでAra-C処理(Brocksらの方法)によって95%以上の純度で10%FBS加DMEMで培養された。マクロファージは非処理あるいは3%thioglycollateを腹腔内投与後に腹腔内から採取し、10%FBS加DMEMで培養された。培養シュワン細胞に対してこれまでの他の細胞でPLA2酵素を誘導することが知られている、種々サイトカイン(IL1,tumor necrosis factor(TNF)など)を投与して、PLA2の発現、産生・分泌を調べた結果、forskolin+TNF刺激で細胞内PLA2の発現が促進される傾向がみられた。今回もサイトカインの種類を増やして確認したが同様の結果であった.3)ラット坐骨神経挫滅後のPLA2遺伝子の発現:in situ hybridizationを用いて凍結切片上でPLA2遺伝子の発現と消退を調べる目的で,予備的実験を行っている。
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