研究課題/領域番号 |
07680893
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 宏道 大阪大学, 健康体育部, 教授 (50154092)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 一次視覚野 / ネコ / 光反応特性 / パッチクランプ法 / スライス標本 / EPSC |
研究概要 |
大脳皮質一次視覚野における皮質内水平結合の機能を明らかにするために、同一個体の脳について全脳動物(in vivo)での視覚生理実験及び脳切片標本(in vitro)での電気生理学的実験を行い、光反応特性と神経回路レベルでの入出力特性とを直接対応させて検討した。 方法:発達期のネコを用いて視覚生理実験を行い、皮質視覚野内の複数箇所の神経細胞の光刺激に対する受容野特性を細胞外記録により調べた後、それらの部位に蛍光色素を微量注入して記録部位を標識した。蛍光色素の輸送期間をおいた後、この脳より薄切切片標本を作成した。切片標本上に存在する蛍光色素によって標識された神経細胞を蛍光顕微鏡観察下で同定し、whole-cell patch-clamp法を用いて記録を行った。先の視覚生理実験により受容野が明らかである複数の部位を電気刺激し、それによって誘発される興奮性シナプス後電流(EPSC)を標識細胞より記録した。 結果:視覚皮質の神経細胞は単に距離の関数で皮質内神経細胞間の水平結合を形成しているのではなく、特定のニューロン群と選択的に神経結合を形成していることが明らかとなった。また、このような水平結合を連続刺激によって活性化させた場合、5msec以下の刺激間隔で与えられた連続刺激に対するEPSCは単発刺激によるそれと比べて増大しなかったが、刺激間隔を離すにつれてEPSCが増大し、50msecの間隔で増大の効率は最大(単発刺激時EPSCの150%)となった。さらに、水平結合と同期して求心性の入力を駆動することによっても入力の加算によって強い興奮が起こることが見出された。このような異なる入力の活性化によって生じるEPSCの増大は入力が完全に同期した場合に最も顕著で(単発刺激時EPSCsの180-200%)刺激間隔が開くにつれて反応の増大効果も減少した。 結論:1、視覚野水平結合は機能的に相関のある特定の細胞群と選択的に興奮性結合を形成している。2、水平結合が活動することにより、求心性線維入力に対する反応に促進が生じる。
|