研究課題/領域番号 |
07680907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
二見 高弘 理化学研究所, アルゴリズム研究チーム, フロンティア研究員 (40209143)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 脚内核 / 視床下核 / 視床VA-VL核 / 細胞内記録法 / PHA-L法 / バイオサイチン微量電位泳動注入法 / 軸索投射様式 / 淡蒼球 / 小脳 / 視床 / 細胞内記録 / 形態 / ネコ |
研究概要 |
淡蒼球内節(ENT)から視床VA-VL核の視床-皮質投射細胞(TC)へのシナプス入力について調べた。ネコをネンブタール麻酔下にENTと上小脳脚(BC)を刺激して誘発されるシナプス後電位(PSP)を細胞内記録した。TC細胞は大脳皮質運動野十字溝周辺の電気刺激により誘発される逆行性スパイクで同定した。 ENTの刺激は単シナプス性抑制性PSP(IPSP)を、BCの刺激は単シナプス性興奮性PSP(EPSP)をTC細胞に誘発した。ENT入力を受ける全てのTC細胞はIPSPだけを受けていた。マッピング実験の結果、VA-VL核の前背側部のTC細胞は主にENT入力を受け、より後腹側部はBC入力を受けることが明らかになった。この結果はPHA-L標識実験の結果と一致する。約10%以下のTC細胞はENTとBCから収束性入力を受け、両投射領域の中間領域に局在していた。ENT入力を受けるTC細胞は6野に、BC入力を受けるTC細胞は4野と6野に主に投射していた。バイオサイチンの極微量近細胞外電気泳動投与で単一ENT細胞を標識すると、単一細胞は複数を軸索を持ち、視床以外の領域をも同時に神経支配していた。単一BC軸索終末はブドウの房状の構造を示し、ENT終末とは全く異なっていた。これらの結果は小脳と基底核からの出力は運動皮質に視床内の異なったチャネルを通って運ばれることを示唆している。 更に、視床下核からTC細胞へは単シナプ性IPSPと2シナプス性IPSPが誘発された。2シナプス性IPSPは時間的促通とENTとの間に空間的促通を示し、ENT細胞を介して2シナプス性にTC細胞にIPSPを誘発したものと考えられた。単シナプス性IPSPはTC細胞に投射するENT細胞の脳幹に行く側枝が同時に刺激されたためと考えられた。
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