研究課題/領域番号 |
07680914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50106647)
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研究分担者 |
和 秀雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (60072675)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ニホンザル / 室内繁殖 / ステロイドホルモン / 人工受精 / 体外受精 / 顕微授精 / 胚移植 / 人工繁殖 |
研究概要 |
本研究は、季節繁殖性を持つニホンザルを医学研究用動物として実験動物化するために、室内で周年にわたって繁殖出来る人工繁殖方法の確立を目的とし、平成7年から8年の2年間に行った。以下に実験経過と成績を示す。 1.メス、オス各々の年間の血中ホルモン値の動態、卵巣の形態観察および精巣の組織所見から、オス、メス何れにおいても明瞭な季節繁殖性と夏期の性腺機能の低下を確認した。 2.冬期の繁殖期、腹腔鏡により排卵時期を推定し電気刺激で得られた精子を経膣法によって子宮体部内に注入する人工受精法によって6頭中3頭の妊娠、出産に成功した。 3.夏期の非繁殖期、薬物による誘起排卵と精子の経膣的注入によって冬季同様の方法で人工受精を試みたが、6頭すべて妊娠、出産には至らなかった。 4.夏期の性腺機能低下を回復させる方法として除法型GnRHを用いたが十分な機能回復効果は得られなかった。 5.体外受精法(IVF)を試みるべく、誘起排卵法によって採取した成熟卵と電気刺激法によって得た精子を用いてIVFを行った。その結果、16頭中12頭において受精に成功し卵の2〜6分割を確認した。 6.精子の凍結保存の検討を行った結果、IVF、ICSIに用いることが出来る精子の保存液と凍結保存法に目処が付いた。 7.夏期の性腺機能低下時に誘起排卵法による卵子と電気刺激法による精子を用いて顕微授精(ICSI)を試みた結果4例中4例何れにおいても、授精、分割に成功した。 8.上記IVFあるいはICSIで得られた受精卵を腹腔鏡下で卵管内に移植を試みたが、妊娠には至らなかった。 以上のように、精液の経膣的人工授精法による人工繁殖法は方法論的には簡便であったが、繁殖効率の点では不十分なものに止まった。今後、今回見通しが付いた体外授精、顕微授精法と卵管内胚移植法につきさらに例数を増やすことによって精度を高め、より確実な妊娠維持方法を見い出すことによって、周年室内繁殖方法が完成し確立できると考えられる。
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