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行為の構造の解明と個別化のための概念枠組みに関する論理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710004
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 哲学
研究機関東京工業大学

研究代表者

鈴木 美佐子  東京工業大学, 工学部, 助手 (50242300)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード行為 / 出来事 / 行為文の推論構造 / 副詞消去推論 / 因果
研究概要

本研究の研究目的は、[1]従来多くの哲学者が採用してきた行為の説明の不十分さを指摘すると共に、[2]行為の個別化をうまく記述する能力をもつ理論的言語的枠組を提供することである。
[1]を明らかにするために、「出来事存在論について」において、デイヴィドソン型の行為分布が行為をめぐる問題を適切に説明できているのかを詳細に検討した。その結果、デイヴィドソン型分析は主に以下の二点に問題をもつことが判明した。
〈1〉複数の記述をもつ行為が同一であると称されているが、その同一性の主張は妥当か。
〈2〉行為文の論理形式をめぐる問題の多くが説明できない。
特に(2)については、(1)標準的な副詞的修飾語(場所、時間、道具など)以外の副詞句の扱い、(2)因果的文脈での副詞消去推論、(3)目的語の消去推論、(4)行為文からの行為者に関する存在言明の帰結等の問題が解決できないことが明らかになった。
この結果をもとに「行為文の推論構造について」で、標準的な種類の副詞(道具)を含み、因果的言明を含む行為に関する推論をとりあげ、デイヴィドソン型分析は、
(1)因果性に関する考察が不十分であり、
(2)行為の個別化についての十分な検討がなされておらず、
(3)分析の説明枠組みが不自然である
ことを示した。さらに、[2]で目的とした新し言語的枠組みを示すことによって推論を書き直し、その推論が因果関係と言語上の規則が隠伏的に使われている三段論法に過ぎないことを明らかにした。この成果は、出来事や行為の分析一般に拡張できると考えられるので、今後は上記の残された問題の解決と、さらに詳細な行為の分析を課題としたい。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 鈴木美佐子: "出来事存在論について" 東京工業大学人文論叢. 21. (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木美佐子(共著): "行為文の推論構造について-柏端論文「行為と道具」およびデイヴィドソン型分析をめぐって" 科学基礎論研究. 86. 1-6 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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