• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

「日常性と時間」に関する現象学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710007
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 哲学
研究機関東京女子大学

研究代表者

森 一郎  東京女子大学, 文理学部, 専任講師 (00230061)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード時間 / ハイデガ- / マルクス / 技術 / 生産 / 搾取 / 商品 / 資本
研究概要

本研究では、とりわけ年度後半において、ハイデガ-哲学における最重要問題の一つである「技術への問い」を集中的に扱い、そこからマルクスの資本主義理解との接点を見出すことによって、「日常性と時間」という課題をいっそう掘り下げるべく努めた。
ハイデガ-後期の代表的論文「技術への問い」では、「技術とは何か」という問題が、古代ギリシアにおける「テクネ-(わざ)」および「ポイエ-シス(うみだすこと・生産)」の概念に遡って解明される。「テクネ-」とは、根源的には、「アレーテウエイン(あらわにすること・真理)」の在り方の一つと考えられていた。この点を踏まえて、高度に発展を遂げた現代技術、いわゆる「テクノロジー」とは何か、を考えてみると、それを支配している「あらわにすること」とは、かつてのような「うみだすこと」ではなく、「けしかけること・挑発」である、ということが分かる。また、そのような挑発によって自然から駆り出されてくる物資は、たんなる「対象」ではなく、「用立てること」のために調達・備蓄される「用象」となる。さらに、そうした用象を挑発するのは「何者」か、と言えば、もはやそれは人間ではありえず、人類と大地を駆り立て巻き込み組み入れて肥大化していく非人称的な何らかの力、であり、テクノロジーの「本体」たるこうした猛威のことを、ハイデガ-はとくに「ゲシュテル(駆り立て、集立)」と名付けている。
以上の説明を、資本主義的生産様式に関するマルクスの基本概念と照らし合わせてみると、「挑発」は「搾取」に、「用象」は「商品」に、「集立」は「資本」そのものに、それぞれ対応していることが判然となる。マルクスが「テクノロジー」を、「時間のエコノミー」の核心をなす言わば「時間のテクノロジー」として論じているのは、何ら偶然ではない。ハイデガ-の技術論は、マルクスの資本論と連関させてこそ、真にその射程を実測しうるのである。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森 一郎: "哲学の実存" 哲学雑誌. 110. 124-143 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 森 一郎: "ニーチェから見たハイデガ-(下)-ニーチェ研究ノート2-" 東京女子大学紀要・論集. 46-1. 37-64 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 森 一郎: "学問の危機と哲学-ニーチェ研究ノート3-" 同上. 46-2. 61-82 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi