研究概要 |
研究代表者は,インドにおいてSukhavativyuha, Aksobhyavyuha等の大乗経典に説かれるいわゆる浄土思想が,それらの文献以降,他の文献においていかに言及されているかを跡付けることを通して,浄土思想の展開を辿ることを当面の研究課題としている.本研究では,Karunapundarika, Mahajjatakamalaの両文献を中心として上述の研究課題遂行のための準備,並びに基礎的研究を行った.本研究により得られた成果は以下の通りである. 1. Karunapundarikaに関連するサンスクリット語写本,特に英国やフランスに所蔵されている写本をマイクロフィルムで入手した.また,チベット語訳資料も未入手であったものを中心に国内各研究機関より精力的に収集した. 2. Karunapundarikaのサンスクリットテキスト(山田一止校訂本)をパーソナルコンピューターにKH方式で手入力を行い,ほぼ全体の三分の二程度までの入力を完成させた.また,作成したデータベースを利用した検索システムについても,その方面の研究者より指導を受け,効率の良い検索方法を確立した. 3. Karunapundarika, Mahajjatakamalaの両文献に見られる特に阿弥陀仏と阿・仏に関わる部分について訳注を作成,比較検討し,それまでの両文献各々に対する研究成果をもと踏まえつつ,先後関係,思想的思想等の観点から考察を加えた.
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