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音声知覚における大脳の左右差:鳥類の歌システムをモデルとした研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710044
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 実験系心理学
研究機関千葉大学

研究代表者

岡ノ谷 一夫  千葉大学, 文学部, 助教授 (30211121)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード鳴鳥類 / 音声弁別 / オペラント条件づけ / 大脳の左右差 / ブロカ領 / ウエルニケ領 / 神経行動学 / ジュウシマツ
研究概要

ヒトでは音声の産出と知覚に関して大脳の左半球が優位である。申請者のこれまでの研究で、鳴鳥類の一種であるジュウシマツでは、音声の産出において大脳の左半球が優位であることがわかっている。今回申請した研究では、知覚における大脳の優位半球を特定し、それが種に特有な音声に限るのかどうか、生物学的に無意味な音の知覚にも脳の左右差があるのかどうかを検討した。
実験にはオスのジュウシマツ4羽を使った。まず、これらの被検体から「地鳴き」と「歌」とを録音し、その後、鳥類大脳における音声産出の最高中枢であるHVCの左右のどちらかを破壊した。この際、被検体を脳定位固定装置で3次元的に定位し、HVCの3次元座標にもとづきラジオ周波数を放射する電極によりHVCとその周辺の組織を熱電気破壊した。回復をまって、オペラント条件付けによりGO/NOGOパラダイムで音声を弁別するように被験体を訓練した。弁別訓練に用いた音声刺激は、3kHz、200ミリ砂の純音と、同じ長さの白色雑音である。これと同時に、定期的に音声を録音し、歌の産出への影響も調べた。
歌の産出に関しては、左のHVCを破壊された個体では歌の構成と音声構造が大きく変化し、ノイズ状の歌に変化してしまった。右のHVCを破壊された個体では手術後しばらく歌が変化したが、変化の度合は左の場合に比べ軽微であった。この結果は、申請者の先行研究と一致する。人工音声の弁別に関しては、4個体とも10セッション前後で弁別を学習し、HVCの破壊側による差はなかった。
これらの結果と、申請者の先行研究とを総合して考察すると、鳥類のHVCは自種の音声と他種の音声とを弁別する際には左が優位だが、人工的な音刺激を弁別するには左右差がない、または必要がない、と考えられる。このことは、鳥類の左HVDは、人間のブロカ領とウエルニケ領とを総合したような働きを持つことを示唆する。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K,Okanoya & S.Watanabe: "Asymmetric effects of Left-and Right-HVC lesion on Song Perception and Song Production in Bengalese Finches.21GC01:Proceedings of the 4th International Congress of Neuroethology" 323- (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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