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生物に関する因果推論の制約と領域的知識の関連性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710096
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関広島大学

研究代表者

湯澤 正通  広島大学, 教育学部, 助教授 (10253238)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード認知発達 / 幼児 / 因果推論 / 制約 / 生物
研究概要

本年度の研究では,幼児を対象に2つの実験を行い,生物領域における因果推論の発達を検討した。2つの実験の焦点は,子どもが人為不介入の原理を認識するとき,経験がどのような役割を果たしているかであった。人為不介入の原理とは,生物の特性の生成において人間が何ら役割を果たしていないと仮定するものである。例えば,“飼い主の太郎君がイヌの耳を長くした"といった説明が間違いであることを幼児が認識するとき,イヌの飼育経験などがそのような認識にどのような影響を与えるかを検討した。2つの実験の概要は以下の通りである。
実験1:子どもが異なる経験的知識を持つと考えられる次の生物の形態や行動に関して,4〜6歳児にその原因を推測させた。(1)身近で飼育経験のないゾウ(鼻の長い),(2)幼稚園で飼育経験のあるウサギ(耳が長い),(3)身近で飼育経験のないクモザル(尻尾が長いという形態と尻尾を使って木にぶら下がるという行動)。その結果,ウサギを身近で飼育することや形態の機能的な役割を理解することが,形態の原因に関して人為不介入の原理を認識することに何らかの役割を果たしているとは言えなかった。
実験2:生物の“細長い"という形態に関して4〜6歳児にその原因を推測させ,人為不介入の原理の認識が次の事例によってどのように異なるかを検討した。(1)既知の生物と未知の生物,(2)人間,哺乳動物,昆虫,植物などの系統発生的に異なる事例。その結果,未知の生物より既知の生物で,また人間により類似した生物で,人為不介入の原理がより強く認識されることはなかった。したがって,事例に関する知識や人間からの類推が人為不介入の原理の認識に何ら役割を果たしているとは言えなかった。ただし,人間に関して人為不介入の原理を認識している被験者は,他の生物に対しても同様である傾向が見られた。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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