研究課題/領域番号 |
07710139
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
笹原 恵 静岡大学, 情報学部, 講師 (40237813)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 農村 / 過疎地 / 地域労働市場 / 家族生活 / 若者の就労 / 配偶者不足 / 企業誘致 / 沢内村 |
研究概要 |
本研究においては、(1)農村からの若者の流出に関する既存研究のフォロー、(2)沢内村の「研究史」についての考察、(3)岩手県沢内村における若者の就労に関する聞き取り調査、を予定していた(概要は以下の通り)。 (1)(2)1995年前半期に文献資料を収集し、7〜9月にかけて、資料整理、データベースを作成した。不足分の資料については1996年2〜3月に収集し、これを補った。 (3)沢内村における戦後の人口構造の変化の資料、村内における企業のリストを整理し、地域労働市場の基礎資料を作成した。また、行政、企業主へのインタビューにより、地域における若者の就労状況についての聞き取りを行った。村内には「縫製」を始めとする女性向けの家計補助的な労働力需要が多く、若年男子型の職場は少ないことがわかった。その一つである製靴業も、労働条件が低いために、魅力的な職場たりえていない。若年者の、北上、盛岡といった都市への通勤が多くみられ、勤務先で配偶者とめぐりあった場合などは、そのまま離村につながる契機となるケースも多い。村では企業誘致に力を入れてきたが、この傾向に歯止めをかけることは困難であった。そのため、企業誘致をしても若年型労働力の確保が難しく、それがまた村内における労働力獲得競争を招くこともあって、手をこまねている。一方、村内における未婚男性の比率は増える一方で(30代の男性の約29%が未婚、女性の場合はわずか4%)、いわゆる「嫁」不足状況が続いているが、この打開策を見いだすことも困難であり、この傾向がまた若者の就労の村外化を促進している。課題の設定は、むしろ就労が地域・家族生活に与える影響ということに注目していたが、聞き取りにより、逆に家族生活を含む生活条件が就労を規定する部分がむしろ大きいことがわかったので、この側面に着眼していくことが今後の課題となった。
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