研究課題/領域番号 |
07710142
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
高橋 一郎 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70226819)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 性教育 / セクシュアリティ / 中等教育 / 中学校 / 教師文化 / 社会統制 |
研究概要 |
本研究においては、現代中等教育における「青少年のセクシュアリティに対する統制」のパターンとその社会的機能を実証的データに基づいて解明することを、主要な目的とした。この目的のため、中学校における性教育の動態を明らかにするデータの収集につとめ、その中で見出されたパターンが、いかなる社会学的諸変数によって規定されているのかを分析し、青少年のセクシュアリティに対する統制が、学校組織において果している社会的機能を説明するための理論枠組を構成することを目指した。 以上の目的を達成するため、現在性教育に関する国内の動向について文献調査をおこなうと同時に、、中学校を対象とした実地調査をおこなった。後者の実地調査については、関西地区に所在する公立中学校23校について、各学校の管理職ならびに養護教諭に対するヒアリング調査をおこない、さらに、これらの学校に在籍する全教師を対象とした質問紙調査をおこなった。この質問紙調査においては、536票の有効回答を得た(有効回収率71パーセント)。 以上の研究により、次の諸点が明らかになった。(1)現代中学校教師の性教育に対する意識は、開放化の方向へ転換しつつあること、(2)性教育に対する意識は、社会学的諸変数(組織風土、性別、世代等)によって分化していること、(3)それにもかかわらず、性教育の実施については、消極的態度を取る傾向にあることについては、社会学的変数による差違が見いだしにくいこと、などである。要約するならば、セクシュアリティの統制に対する教師の態度は、意識における進歩性と、実践における保守性という分裂によって特徴づけられており、これは、現代学校教育に固有のイデオロギー構造の反映という見地から説明しうるものである、というのが、本研究の成果である。
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